バックアップを語る前に、知っておくべきことがあります。
それはアーカイブビットです。
アーカイブビットとは、ファイルに変更を加えると変更済みとしてマークされる
フラグのことで、逆にアーカイブビットがクリアされるとバックアップ済みと言
えるのです。
では、このことを踏まえ、バックアップ方式についてお話ししますね。
バックアップには通常、増分、差分、コピー、毎日という方法があります。
では、それぞれについて解説しますね。
通常バックアップとは、もっとも基本となるバックアップ方法で、選択した
ファイルがすべてバックアップ(アーカイブビットに関係なく)されます。
そしてアーカイブビットはクリアされます。
また、その中でもすべてのファイルのバックアップを取ることを、フルバック
アップと言います。
増分バックアップとは、前回の通常バックアップまたは増分バックアップ以降
に作成または更新されたファイル(アーカイブビットがオンのファイル)のみを
バックアップし、アーカイブビットはクリアされます。
増分バックアップを復元するには、通常バックアップとすべての増分バック
アップが必要となります。
差分バックアップとは、前回の通常バックアップまたは増分バックアップ以降
に作成または変更されたファイルのみ(アーカイブビットがオンのファイル)を
バックアップしますが、アーカイブビットはクリアしません。
差分バックアップを復元するには、通常バックアップと最新の差分バックアップ
が必要となります。
以上が基本となるバックアップで、次に特殊なバックアップ方法をご紹介します。
コピーバックアップと毎日バックアップです。これらは平常時にはほとんど使用
されませんが、特殊なニーズに応えることができます。
コピーバックアップとは、通常バックアップと同じく選択したファイルがすべて
バックアップされます。通常バックアップとの違いは、アーカイブビットが
クリアされないことです。
コピーバックアップは、通常のバックアップスケジュールに影響を与えずに、
現在のバックアップを取得するのに使用されます。
たとえば、緊急の更新プログラムを適用する前のバックアップの取得(計画外
のバックアップ)などに利用されます。
毎日バックアップとは、アーカイブビットではなく、更新日時に基づいてバック
アップする方法で、バックアップの実行日に更新されたすべてのファイルの
バックアップを取ります。