冗長性とは、何かが壊れてもサービスを提供し続けられるような構成にすること
です。
ドメインコントローラが停止すると、ネットワークのリソースが利用できなく
なるので、必ず冗長構成にする必要があります。
ドメインコントローラの冗長性は、ドメインコントローラを複数台で構成すること
で実現するんですね。。
冗長性を確保する方法として、NLB(ネットワーク負荷分散)やクラスタを構成
する方法もありますが、ドメインコントローラの場合は、NLB やクラスタではな
く、複数台でサービスを提供する形を取ります。
また、NT の時代のドメインコントローラは、プライマリとバックアップという
役割分けを行っていました。
いわゆるプライマリ ドメインコントローラ(PDC)とバックアップ ドメインコン
トローラ(BDC)です。
この二つ、何が違うかというとデータの変更を行うことができるか、
できないかという点です。
そして変更できるのは PDC だけなのです。
BDC ではデータの変更ができません。読み取り専用なんですね。
このような構成をシングル マスタと言います。
マスタ データを扱うのは一台だけという意味です。
仮にすべてのサーバーでデータの更新が出来たとしましょう。
同時に複数台のサーバーでデータを更新した場合、どうなるでしょうか?
データの整合性が取れなくなりますよね?
なので、PDC、BDC という役割に分け、BDC は PDC のコピーを扱っているのです。
同じアーキテクチャを利用しているサーバーに DNS があります。
DNS もプライマリとセカンダリに分かれ、プライマリでのみデータの変更が可能
です。セカンダリはプライマリのデータのコピーを利用しています。
そして、Windows 2000 Server 以降(Active Directory)では、マルチ マスタ
レプリケーションというアーキテクチャが採用されており、PDC、BDC という概念
がなくなりました。
Active Directory のドメインコントローラは、すべて(ほとんど)同等に扱われ
ます。
マルチ マスタでは、どのドメインコントローラからでもデータ(オブジェクト)
の変更が可能です。
仮に同時に同じデータ(オブジェクト)に変更を加えても、それを解決する機能
が搭載されているため、このようなことが可能となったのです。
細かいことはお話しませんけど。(笑)
しかし、実際には 5つの機能だけはシングルマスタとして機能します。
この機能のことを FSMO(フィズモ)と言います。
FSMO については別の機会にお話しますね。