世代とは通常バックアップとそれ以降の増分または差分のバックアップデータ群
のことです。
1世代だけでローテーションし、同じテープに上書きするにはリスクを伴います。
これは次の二つの問題を抱えているためです。
作成した通常バックアップが正しく作成されていなかった。
または、テープが破損してしまった。
といった最悪のケースです。ないとは言い切れません。これが増分、差分のテー
プであれば、最悪のケースは免れますが、通常バックアップの消失では対応の
しようがありません。
次に特定時点のデータへの復元依頼への対応です。
たとえば、こんな依頼です。
「先週保存して置いたデータに復元したい。」
このような依頼があるかもしれません。しかし、一世代だけでローテーションし
ていた場合、バックアップデータ自体が、すでに上書きされてしまっているかも
しれません。
このケースは技術的な問題というより、社内ポリシーに大きく関わることです。
社内ポリシーで、このような依頼は受けないと宣言していれば、一つ目の問題だ
け考慮すれば、良いので2世代でのローテーションでも良いでしょう。
しかし、社内ポリシーで1ヶ月前のデータまでは復元できると宣言している場合、
1ヶ月前までの世代+さらにもう一つ前の世代まで保管する必要があります。
さらに一ヶ月前の世代が必要な理由は、世代管理の一つ目の目的に対応するため
です。つまり、一ヶ月前の世代データが破損、消失してしまったケースに対応す
るためですね。
以上が世代管理に必要な考え方でした。
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